シャンチー(中国将棋)とは
シャンチー(象棋、xiàngqí)は、中国やベトナムを中心に遊ばれている二人用のボードゲームです。将棋やチェスと同じ系統のゲームで、赤と黒が1手ずつ交互に指し、相手の帥(シュワイ)・将(ジャン)を詰ませた方が勝ちます(Wikipedia「シャンチー」)。
将棋を知っていれば、半分以上はすでに知っているようなものです。ただし「駒は交点に置く」「取った駒は使えない」「王同士は向かい合えない」「指す手が無くなると負け」など、将棋と違う決まりがいくつかあります。このページの上部では、それぞれのルールを盤上で実際に試せます。
盤と駒の並べ方
- 盤は縦9本・横10本の線でできていて、駒はマス目ではなく線の交点(全90か所)に置きます。
- 盤の中央を横切る帯が河(かわ)です。楚河・漢界(そが・かんかい)と書かれています。相・象は河を渡れず、兵・卒は河を渡ると横にも動けるようになります。
- 両端にある、斜線の入った3×3の区域が九宮(きゅうきゅう)です。帥・将と仕・士はこの中から出られません。
- 駒は7種類で、1人16枚です。赤と黒で字が違う駒がありますが、動きは同じです。
- 赤が先手で、以後は交互に1手ずつ指します。
駒の動き
帥(シュワイ)・将(ジャン)
王にあたる駒です。九宮の中を、縦か横に1つずつ動きます。斜めには動けず、九宮の外にも出られません。
仕・士(シー)
王を守る駒です。九宮の中を、斜めに1つずつ動きます。行ける点は九宮の四隅と中央の5か所だけです。
相・象(シャン)
斜めに2つ(「田」の字の対角)進みます。途中の点、象眼(ぞうがん)に駒があると、その方向には進めません。また河を渡れないため、自陣の守りに専念する駒です。
傌・馬(マー)
まず縦か横に1つ進み、そこから外側へ斜めに1つ進みます(「日」の字の対角)。最初に進む方向のすぐ隣、馬脚(ばきゃく)に駒があると、その方向へは跳べません。一方、斜め隣の駒には邪魔されません。将棋の桂馬に似ていますが、後ろにも横にも跳べます。チェスのナイトとは違い、駒を飛び越えることはできません。
俥・車(チュー)
縦横にどこまでも進めます。将棋の飛車と同じ動きで、シャンチーで最も強い駒です。
炮・砲(パオ)
取らずに動くときは車と同じく縦横にどこまでも進めます。駒を取るときだけは、間にある駒をちょうど1つ飛び越えなければなりません。飛び越える駒は炮台(ほうだい)と呼ばれ、敵でも味方でもかまいません。将棋にもチェスにも無い、シャンチー独特の駒です。
兵(ピン)・卒(ツー)
前に1つずつ進みます。河を渡った後は横にも1つ動けるようになりますが、後ろには戻れず、成ることもありません。
駒の価値の目安
駒の交換を考えるときの目安として、車を9とすると、炮と馬が4前後、仕と相が2、兵は河を渡る前が1・渡った後が2くらいとされています。炮は駒の多い序盤ほど、馬は駒の減った終盤ほど働きやすいと言われます。
勝ち方・負け方
- 詰み(将死、しょうし): 王手をかけられ、どう指しても王手を解消できなければ負けです。
- 困毙(こんへい): 王手をかけられていなくても、手番で指せる合法な手が1つも無ければ負けです。チェスではこの状態(ステイルメイト)は引き分けですが、シャンチーでは負けになります。
- 王の対面: 帥と将が同じ筋で、間に駒が無い状態を作る手は指せません。間の駒を動かすときも同じです。「王不見王(ワンブージェンワン)」とも呼ばれます。このルールは守りだけでなく、相手の王の逃げ道を消す攻めにも使えます。
- 投了・時間切れ: 投了した側、持ち時間を使い切った側の負けです。
引き分けと反復のルール
両者の合意のほか、どちらも勝ちに持ち込めない局面や、駒を取らない手が一定数続いた場合に引き分けになります。手数の基準は大会の規則によって異なります。
同じ手順を繰り返す場合の扱いも、将棋の千日手とは違います。
- 王手を続けて同じ局面を繰り返す長将(ちょうしょう)は禁止で、王手をかけている側が手を変えなければ負けになります。
- 守られていない駒を追い続ける長捉(ちょうそく)も、多くの大会規則で禁止されています。
- どちらも反則をしていない繰り返しは引き分けです。
細かな基準は大会規則ごとに異なります。このサイトの対局では、同じ局面が3回現れる間に一方だけが王手を続けていた場合はその側の負け、それ以外の3回の繰り返しは引き分け、駒を取らない手が120手(各60手)続いた場合も引き分けとしています。長捉の判定は行っていません。
将棋・チェスとの主な違い
- 駒はマス目ではなく交点に置きます。
- 取った駒は盤から消え、持ち駒として使うことはできません。成りもありません。
- 帥と将は同じ筋で向かい合えません。
- 指せる手が無くなった側は負けます(チェスのステイルメイトとは逆)。
- 炮という、取るときだけ駒を飛び越える駒があります。
- 馬は足元をふさがれると跳べず、相は河を渡れません。
初心者のコツ
- 序盤は車・馬・炮を早めに働かせ、車は開いた筋に出しましょう。
- 馬は盤の端に寄せると逃げ場が無くなりやすいので注意します。
- 帥はむやみに動かさず、仕と相で守ります。
- 炮を早く敵陣に入れすぎると、飛び越えるための駒が無くなって働きにくくなります。
- 1手詰めの問題を繰り返し解くと、詰みの形が早く身に付きます。
棋譜の読み方
シャンチーの棋譜は、1手を「駒・元の筋・動き・数」の4文字で書きます。たとえば「炮二平五(パオ・に・へい・ご)」は、二の筋にいる炮が横に動いて五の筋へ移る手です。
- 筋の数え方: 筋(縦の線)は、それぞれ自分から見て右から数えます。赤は漢数字(一〜九)、黒は数字(1〜9)を使います。このサイトの盤の下に並んでいる数字が赤から見た筋です。
- 動き: 前に進むのが「進(しん)」、後ろに下がるのが「退(たい)」、横に動くのが「平(へい)」です。
- 最後の数: 「平」では移動先の筋を書きます。「進」「退」では、俥・炮・兵・帥のようにまっすぐ動く駒は進んだ数を、傌・相・仕のように斜めに動く駒は移動先の筋を書きます。
- 同じ筋に同じ駒が2枚あるとき: 筋の代わりに、前にある方を「前」、後ろにある方を「後」と書きます(例: 前炮進一)。
よくある序盤の例を見てみましょう。
- 炮二平五(赤の炮が中央の五の筋へ) 馬8進7(黒の馬が8の筋から7の筋へ跳ねる)
- 傌二進三(赤の傌が二の筋から三の筋へ跳ねる) 車9平8(黒の車が9の筋から8の筋へ)
- 俥一平二(赤の俥が一の筋から二の筋へ) 馬2進3(黒のもう一方の馬が跳ねる)
英語圏では、駒をアルファベット1文字で表すWXF式(例: 炮二平五は「C2.5」、傌二進三は「H2+3」)もよく使われます。このサイトの英語表示ではWXF式、日本語と中国語・韓国語の表示では漢字の棋譜を使っています。
よくある質問
帥と将、仕と士は何が違うのですか?
字が違うだけで、動きは同じです。赤が帥・仕・相・傌・俥・炮・兵、黒が将・士・象・馬・車・砲・卒を使います。
取った駒は使えますか?
使えません。将棋の持ち駒のルールはなく、取った駒は盤から取り除かれます。
指せる手が無くなったらどうなりますか?
王手をかけられていなくても負けです。チェスと違い、引き分けにはなりません。
どちらが先手ですか?
赤が先手です。このサイトのCPU対戦では、先手と後手を選べます。
ルールを覚えたら次は何をすればいいですか?
一番やさしいCPUと一局指してみましょう。実際に指すと、炮の飛び越しや馬の足のような独特のルールがすぐに身に付きます。